銚子に現れたUFOの検証

本城です。

昨夜、「世界がビビる夜」という番組が放送されました。ご覧になった方もおられたと思います。

番組では、コンタクティの武良さんがUFOを召還するという、いつものコーナーがありました。事前に全然盛り上がっていなかったため、UFO映像はあまり撮れなかったのかと思いましたが、結果的には3つ撮れていました。そこで、その3つのUFOについて検証したいと思います。

まず前提の確認です。場所は千葉県の銚子で、収録日は9月26日でした。

第1のUFO

これは2つの光点で、現れたのは南の空。とくに変わった動きはありませんでした。銚子の西には成田空港もあり、南からの航路もありますので、普通に飛行機のライトだと考えて問題ないように思いました。

なお光は途中で消えましたが、これは雲に隠れたか、向きが変わって見えなくなったかのどちらかではないかと思います。

第2のUFO

これは1つの光点で、現れたのは南西の空。色はオレンジ。飛行機の可能性は動きが止まって見えるとのことで否定されていました。また星の可能性も、最初は見えず、途中から見えて、また消えたということで否定されていました。

正体は何でしょうか? 止まって見えるオレンジの光点ということで、真っ先に思い浮かぶのは火星です。そこで天文ソフトを使って、当夜の夜空を再現してみました。

時間は何時頃だったのか不明なため、とりあえず夜8時半で再現してみましたが、南西の方角に見えるのは、まさに火星でした。この日の明るさは0等星ですから、けっこう明るく見えたと思います。

けれども途中で現れたり、消えたりしたのは? 雲に隠れたのかもしれません。そこで気象庁の衛星画像を確認しようと思ったのですが、残念ながら9月の記録はもう閲覧できませんでした。

他を探すと日本気象協会には衛星画像の記録が残っていたものの、「東日本」のように大ざっぱな範囲でしか見られないため、銚子の空がどうだったかということは、はっきりわかりません。

それでは、ということで、銚子地方気象台に問い合わせてみることにしました。すると、気象画像はないながら、雲量については記録されているというので、その記録が見られるページを教えていただきました。こちらです。記録を見ると、雲量のところに数字が書いてありますね。これは全天を10とした場合の雲の割合を表しているのだそうです。

つまり18時に8とあるのは雲が8割、21時に4とあるのは、その時間に雲が4割あったということです。残念ながら、どの方角にどれくらい雲があったかということまではわかりませんが、雲自体はそれなりにあったということはわかります。

であれば、途中から見えてまた消えたというのは、雲に隠れていた火星が合間から見えて、また隠れてしまったという可能性も十分考えられるのではないかと思います。

なお、他に止まっているように見える光点としては、奥からこちらに向かって飛んでくる飛行機も、横方向には動かないため、止まって見えることがあります。この場合、火星は雲に隠れていて、ずっと見えなかったのかもしれません。

第3のUFO

最後は白っぽい2つの光点が、ユラユラ揺れながら、下に落ちていくというものでした。これは、その動きから考えて、普通に電飾凧のように見えました。揚げた凧が落ちちゃっただけでは、と思います。

さて以上のように、UFOの正体として、残念ながら宇宙人の乗り物という可能性は低そうです。でも今回調べて勉強にはなりました。地方気象台の方から、雲量は8割までなら記録上は「晴れ」になるということを教えていただいたからです。

感覚的には8割も曇りなら「曇り」だと考えがちですが、定義では晴れになるのだそうです。天気記号で晴れになっているからといって、雲がほとんどないかというと、そういうことではないのだとか。大変参考になりました。

コメントを残す