対象は全世界。超能力を披露して賞金2500万円をゲットしよう

本城です。

以前、『超能力事件クロニクル』の用語集で「ワン・ミリオンダラー・パラノーマル・チャレンジ」(1億円超常チャレンジ)という企画を紹介しました。

これはジェイムズ・ランディがはじめた企画で、しっかりとしたテストを行い、超常現象を起こせれば1億円を贈呈するというものでした。

前出の本では、企画が2015年に終了しているものの、アメリカやロシア、オーストラリアなどで同様のものが行われていると書きましたが、そのうちのひとつがちょうどカラパイアさんで紹介されていました。

「本物の超能力者なら賞金2500万円をゲットできる、超能力コンテストが開催中!」
https://karapaia.com/archives/52299708.html

今回、いい機会ですので私からも紹介したいと思います。

企画を行っているのは、CFIIG(Center for Inquiry Investigations Group / センター・フォー・インクワイアリー・インヴェスティゲーションズ・グループ)というアメリカの団体です。

ここはランディも所属していた旧サイコップ(現在のCSI)の関連団体で、活動内容は超能力者のテストを専門にしているといいます。

テストの概要は、次のとおり。

  • 賞金は2500万円(以前の1000万円から増額)。紹介者がいた場合はその人に50万円。
  • 挑戦する資格があるのは世界中の成人の超能力者(心霊、予言、占い含む)。性別、人種、学歴は問わない。
  • 申し込みは専用のページから英語で行う。英語が使えない場合は通訳を用意する必要あり。
  • テストに関わる費用はすべて挑戦者が負担する(本物であれば賞金のごく一部の負担で済む)。
  • 対面でなくても能力が検証できる場合は、オンラインでテスト可能。
  • 1度挑戦した後に再挑戦も可能。ただしその場合は1年、間をあける必要あり。
  • テストは2段階制。まず比較的条件がゆるい予備テストを行う。それをパスしたら本テストに挑戦できる。
  • テストの条件は挑戦者とCFIIGが相談し、お互いに合意して決める。

こんなところでしょうか。
メールの問い合わせは毎年、数百通くるそうです。ただしほとんどの場合、使える能力について厳密につきつめていく過程で音信不通になっちゃうとか。

予備テストに到達できる人は、年間で6~10人くらいだそうです。本テストに合格した人はいまだゼロ。解釈でごまかす、主観で判断するとか、後づけで当たったことにするとか、そういうよくあるやり方は一切通用しません。現実は厳しいものです。

なお、これまでのテストにはどういったものがあるのか、参考までに少しご紹介します。

電気を操る超能力者

2020年6月20日に行われたテスト。挑戦者は次の三つの超能力が使えるといいます。

  • 手から静電気を放出
  • 空に雷を起こす
  • 3フィート(約90センチ)以上のテレポート

結果はすべて失敗でした。

テレパシーが使える超能力者

2020年10月4日に行われたテスト。挑戦者が使える超能力はテレパシー。どんな相手の頭にも自由にイメージを送ることが可能。

テストはサイコロを使って行われました。サイコロを振って出た数字を挑戦者が友人の頭に送るというものです。試行は全部で10回。そのうち8回当たれば成功となります。

挑戦者のトル

結果は残念ながら2回でした。そこで挑戦者はテレパシーを受信する友人がダメだったかもしれないと主張し、現場にいた調査員の助手を新たに指名しました。

ところが再テストでも当たったのは2回だけ。結果は変わりませんでした。

電球の明るさを変えられる超能力者

2017年9月23日に行われたテスト。挑戦者は念じるだけで電球の明るさを変えられるといいます。

そこで、明るさを制御したスタジオ内に白熱電球を用意し、その明るさを計測。メーターが示す11.2という明るさの標準値を3以上変えることになりました。試行は全部で15回。そのうち10回で変化があれば成功です。

結果は、6回連続で誤差レベルの0.1の変化しか起こらず……。残り9回の試行を仮にすべて成功したとしても10回の成功に満たないため、終了となりました。

死者と生者を見分ける超能力者

2019年5月18日に行われたテスト。挑戦者は写真を見るだけで、その人が生きているか死んでいるか見分けられるといいます。

その挑戦者はマケドニアにいましたので、テストはSkypeを使ったオンラインで行われました。用意された写真の人物は全部で20人。そのうち18人を当てられたら合格です。

結果は20人中、11人でした。これは41%の確率で偶然でも当てられるもので、合格ラインには及びませんでした。

ちなみに挑戦者は、ほかに調査員の健康状態も当てられると主張しましたが、そちらも結局当てられませんでした。

やはり現実は厳しいようです。
けれどもご自身の超能力に自信をお持ちの方がいらっしゃれば、挑戦してみるのもいかがでしょうか。

自分の能力を他者にきちんと説明し、偶然レベルを徹底的に排除した明確な結果を出すというのは難しいものです。バラエティ番組のような忖度や編集はやってくれません。相手が都合良く解釈してくれるということもありません。

こうしたテストで向き合わなければならないのは、まさに厳然たる現実です。でも、そうした厳しい現実の中でテストをクリアしてこそ意味があるはずです。

それにもし失敗しても、それで自分と向き合えるならいいことだ思いませんか。結果を受け入れるにしろ拒絶するにしろ、自身の特別な能力とされるものを考える、良い機会にしていただければと切に願います。

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