ジェイムズ・ランディが死去
本城です。
アメリカの懐疑論者のジェイムズ・ランディが10月20日に亡くなりました。92歳でした。
We are very sad to say that James Randi passed away yesterday, due to age-related causes.
— Randi Foundation (@jref) October 21, 2020
He had an amazing life. We will miss him.
Please respect Deyvi Peña’s privacy during this difficult time.
元気な頃のランディをご存知ない方は、こちらのページの動画をご覧ください。
https://asios.org/reports/videos
ランディは、世界中の超能力者、霊能力者といわれる人たちのイカサマを暴いてきたことで知られています。
通常、こうした暴露者のことは「デバンカー」(debunker)と呼ばれ、ランディはその代表格とされることが多かったです。しかし海外で、このデバンカーには「最初からインチキだと決めつけて否定する奴」といった意味合いもあり、ランディは好みませんでした。
代わりに彼がよく使ったのが、「調査者」(Investigator/インヴェスティゲーター)という呼び方です。超常現象そのものの可能性は最初から否定しません。
ランディの特徴は、とにかく実践的なこと。能力者への対応は一貫しています。
「能書きや御託はいいから、その力を見せてくれ」
抽象的で何かと飾り立てられることが多いこうした世界にあって、ランディの主張はシンプルかつストレートでした。
もちろん、ストレートすぎて嫌われることも多かったですし、そこまで言わんでも……と余計なことを言い過ぎてしまうところはありました。
しかし、日本を含む世界各国に出向いては、有名無名問わず様々な能力者のトリックを暴いていく。そのアグレッシブさは、誰にも真似できないものがありました。
とはいえ、突出した一騎当千の存在であるがゆえに、ついつい最後は彼に頼ってしまうという状況があったことも否定できません。
友人のカール・セーガンは、その著書『悪霊にさいなまれる世界』(早川書房)の中で、ランディの活動を紹介する話の最後を次のように締めくくっています。
ジェイムズ・ランディがカーテンに噛みついてくれたのは、われわれにとっては幸運だったといえるだろう。だが、いかさま師、大ボラ吹き、″トンデモ話″が出るたびに、いつもランディがその正体を暴いてくれるだろうと期待するのは、そういう連中を信じるのと同じぐらい危険なことだ。いいカモにならないためには、この仕事は自分でやらなくてはならないのである。
残念ながらランディは亡くなりました。ですが、それで終わりではありません。
彼に影響を受け、その志を引き継ぐ人がいるならば、カリスマがいなくても地道に活動は続いていくはずです。共に頑張っていきましょう。