たけしの超常現象スペシャルの検証(1)
本城です。
先日、年末恒例のたけしの超常現象特番が放送されました。今回はテレ朝上空に現れたというUFOと、アメリカで話題騒然だというウェイン・ホフマンのパフォーマンスについて書きたいと思います。
まずはUFOから。ご覧になった方の中には気づいた方も多くおられたと思いますが、正体として真っ先に思いつくのは風船でした。番組でもちらっと言及されていたニューヨークの事例もこの風船が正体でした。
今回はそれに比べるとより高いところを飛んでいたようで、そのためにカメラのズーム映像では捉えられるものの肉眼ではほとんど確認できないということになったのだと思います。
ただ中には、分裂したり、結合したりしているように見えたという意見もあるようです。しかしこれはカメラの方角に重なって飛んでいた風船が、ずれたり、また重なったりすることでそういった分裂や結合をしているように見えた可能性も考えられると思います。
ちなみに韮澤さんのブログによりますと、収録日は11月30日だったそうです。この日は土曜日で、天気も良かったですから、何かイベントごとがあれば風船を飛ばすバルーン・リリースをやっていたところがあったのかもしれません。
次にウェイン・ホフマンです。彼はメンタリストやイリュージョニストを名乗っているため、超能力者といえるかどうか微妙です。
http://waynehoffman.com/
ただ番組では一応その設定で登場されていましたから、以下で検証してみたいと思います。最初に行われたパフォーマンスは、出演者の一人に小銭を好きな量つかませて、その金額を当てるというものでした。適当につかんでいるだけですから、事前にその金額を当てるというのは至難の業です。
ウェインは小銭がつかまれた手を見て、紙にその金額を書きます。ところがここが問題でした。その書かれた金額を誰にも見せないのです。透視した金額をここで明らかにしても、すでにつかんでいる小銭は一切影響を受けませんから、本来はここで明らかにするべきでした。そうすればトリックを疑われる余地は格段に減る一方で、不思議さは格段に増します。
しかし彼はそうしませんでした。書いた素振りを見せただけで金額は隠されたまま、実際にいくらなのか確認が始まります。その間、ウェインは右手に紙を持ち続けています。そしてつかまれた金額が1,071円だと確認されると、ウェインはようやく紙に書かれた金額を明らかにします。そこには同じく1,071円と書かれていました。一致しています。
ですがもうおわかりですね。ウェインは結局事前に書いたという金額を確認が終わるまで誰にも見せず、後出ししています。つまり、金額がわかってから書いたのではないか、と強く疑われます。
でもどうやって? 一番考えられるのはマジック道具の使用です。この親指に装着するタイプで、紙を持つときに親指を内側(演者側)にしているとペンがなくても字が書けます。実際、ウェインは親指が見えない持ち方をよくしていました。その間に書いたのだと思います。
続いてはお札のシリアルナンバーの透視。これはまず、ウェインが誰かお札を持っていないかと問いかけます。これに応えたが出演者の北斗晶でした。
彼女はマネージャーに財布を持ってきてもらい、渡された財布から千円札を後ろ向きで取り出し、それを小さく丸めて手の中に握ります。ウェインはその握られた手を見ながら、シリアルナンバーを紙に書き、それをカメラに見せます。「JA001983L」です。
この時点では、まだ北斗は千円札を握ったままです。実際のシリアルナンバーはわかりません。しかし握られた千円札を広げると、そこにあったのはウェインが事前に示したのと同じシリアルナンバーでした。一致しています。
ウェインが透視したシリアルナンバーは事前に明らかにされましたから、結果がわかった後で書いた可能性はありません。ではやはり透視によってシリアルナンバーを読み取ったのでしょうか?
実はそうとも限りません。疑わしいところがいつくかあります。まず、ウェインが最初の段階でお札を持っている人がいないか尋ねるシーンです。字幕では「特にお札を持っている人はいませんか?」と表示されていましたが、ウェインが実際に話していた言葉を聞き取ると「ワン サウザンド エン」と言っています。つまり千円札です。
スタジオでもそのように通訳されたらしく、すぐあとに北斗が「千円札はやはり、マネージャーが財布を……」と言って名乗りを上げます。ですがよく考えてみますと、ここで「千円札」と限定する必要はありませんよね。
日本のお札には他に5千円札も1万円札もあります。手持ちのお札の中から自由に選んでもらえばいいはずです。しかしここであえて千円札に限定しているということは、千円札でなければ都合が悪いと考えられるわけです。
つまり、ウェインは選ばれる千円札のシリアルナンバーを事前に覚えていて、その千円札が使われることを知っていた可能性が考えられます。要するに仕込みです。
最初のやり取りと他の出演者の反応を見る限り、北斗が選ばれることになっていたのは明らかでした。おそらくスタッフから事前に、千円札の透視を行うことは聞かされていて千円札も用意されていたのではないでしょうか。
透視が行われているシーンでは、財布が開いた状態で椅子に置かれていることがわかるのですが、それを見ますとお札は他に入っていませんでした。財布の中にはもともと千円札一枚しか入っていなかったということになります。
普通なら、たまたま選ばれた人の財布に、たまたま千円札が一枚しか入っていなかったとは考えにくいものです。よって使われた千円札はやはり仕込みだったのではないかと思います。(なお北斗がサクラだとは考えていません。出演者をサクラにできるなら、もっと奇蹟的なこともやれるため)
※長くなったのでここで一度切ります。残りは次の記事で。
※画像はいずれも当該番組から引用。
出演者、山口敏太郎氏の見解。
http://www.youtube.com/watch?v=K4cVRnLRjqA
http://www.youtube.com/watch?v=ZFCH9qIp8_o
http://www.youtube.com/watch?v=EWcCKb5U5wQ
凄い騒ぎだったっぽいけど・・・。
で、最後の大槻氏の発言とやらはどこの情報?
お札のシリアルナンバーの時は
メモにきれいな数字が書かれていたのに
小銭の時は、殴り書きっていうのが
特徴的でした
お札→事前に知っていた番号を丁寧に記入
小銭→金額がわかってから、こっそり記入
ってのがばればれですね
>いっちゃんさん
大槻教授がその発言について説明していました。
http://29982998.blog.fc2.com/blog-entry-262.html
>東郷ビールさん
字の不自然さは際だっていましたね。トリックを使った場合、ちゃんとした状態で書けるわけではないので、どうしてもおかしな字になってしまうのが残念でした。
初めてコメントします。
お札のシリアルナンバーを当てるトリックですが、ホフマンが書いて見せたシリアルナンバーの紙には縦方向にうっすらとJA00と書いてあるように見えました。(ハイビジョンで見ないと分かりにくいですが)
ビデオはもう消してしまったので僕の記憶違いかもしれませんが,もしかしたらトリックの跡だったのかもしれません。
まだ録画が残っているので確認しましたが、薄っすらと見えますね。おそらく裏写りかと。
で、前後を見直したら、字を書いた時は紙は開いたままなのに、書いたものを見せているときは紙が二つに折られています。
おそらく、最初から紙に答えが書いてあり、書き込んだ番号はダミー(といっても合ってるっぽいが)かと。
記憶力に自信がなかったのかな?
やっぱり見えましたか!!
ハイビジョンになってTVのボロも出やすくなったのかもしれません。