超常現象の研究者紹介―アイヴァン・サンダーソン
本城です。
今回は超常現象研究家のアイヴァン・サンダーソン(1911年~1973年)を紹介します。彼は超常系の本(特にオーパーツを扱った本)ではよく名前が出てくるのでご存知の方もいると思います。写真を見ると、けっこうシブい風貌ですね。
彼の場合、特に肯定派が書いた本では「動物学者のサンダーソン博士」といった紹介のされ方が多く、権威付けに利用されることが多く見られます。確かに彼は動物学に加え、植物学、地理学の学位も持っていることは事実なのですが、1965年に行われたインタビューによると、サンダーソン自身は「博士」と呼ばれることはあまり好きではなかったようです。
さて、そんなサンダーソンですが、そもそも超常現象に興味を持ったキッカケは17歳の頃に行った世界一周旅行。この旅で様々な伝説に触れたのか、20代の頃にはどんどん超常現象にハマっていき、1932年にはアフリカで伝説の大怪鳥オリティアウ(コンガマトー)に襲われ、危うく難を逃れたなんてエピソードも持ってます。
スゴいですよね~。まるで水曜スペシャルの川口浩隊長みたい(笑)。
でも実際、サンダーソンはテレビやラジオでも活躍していたそうです。もともと動物学に詳しいですから、UМA(未確認動物)の調査はよく行っています。また、この人は他にもUFO、オーパーツ、奇現象などにも興味を持っていて、それぞれのジャンルでも調査を行っています。
特に「オーパーツ」はその用語自体の生みの親ですし、奇現象では空から魚やカエルなどが落ちてくる空中落下現象を指す言葉として「ファフロツキーズ」という用語も考案しています。
でも実は両方とも海外ではあまり普及していないのでネーミングセンスがあるかどうかは微妙なんですが、こういった用語を考え出すくらい研究熱心な人だというのは確かだと思います。
後年は、奇現象研究のパイオニアとして有名なチャールズ・フォートの早くからの追随者としても名を知られ、フォートのように奇現象を蒐集、研究する「フォーティアン」の先駆けとも言われています。
1965年には「奇現象調査協会」(Society for the Investigation of the Unexplained/ SITU)という団体を設立。説明できない奇現象の収集、調査、紹介に努めました。
さて最後は個人的な感想になりますが、サンダーソンは肯定派なのでスタンスが違いますし、いい加減な情報を書くこともたまにあります。でも、この人がやってきたことを見ていると、超常現象にすごい興味を持っていて好きなんだ、というのがよく伝わってくるんですね。現地調査は当たり前ですし、情報収集も半端じゃありません。
解釈や結論のところで相違はあっても、この人がやろうとしていたことは個人的にとても好きだったりします。