沖縄で目撃されたUFOの検証
本城です。
遅ればせながら、先月の23日に沖縄でUFOが複数目撃され、ニュースになりましたので、その件についてまとめて書きたいと思います。
第一報は2014年1月25日配信の沖縄タイムスのこの記事でした。
「那覇の夜空に謎の光 目撃者複数」
その後、続報があり、
「謎の光は米軍の照明弾?反響多数」(現在リンク切れ)
「那覇の“謎の光”目撃時 米空軍『訓練せず』」
さらに1月29日に続報がありました。
「謎の光は在沖米海兵隊の照明弾 航空機から発射」(現在リンク切れ)
最終的にUFOの正体は米軍の照明弾の可能性が高い、ということになっています。これはUFOにちょっと詳しい人たちの間でも、最初から照明弾の可能性が高いことは指摘されていましたし、納得のいく結論です。
しかし、まだ、この照明弾説に対しては否定的な意見も見られます。解消されない疑問点があるようです。そこで、それらをいくつかピックアップし、検証してみることにしました。少々長いですが、お付き合いください。
【疑問点1】照明弾はパラシュートを使ってゆっくり下降するもの。上下に動くUFOとは動きが合わない。
問題のUFOを撮影した動画は今のところ他にも複数アップされています。
しかし、どれを見ても上に動いているものはありません。最初の沖縄タイムスの報道では「上下左右に移動を繰り返し」とのことでしたが、明らかにそのような動きは見せていません。
では、なぜそのような勘違いが起きてしまったのでしょうか。その理由として考えられるのは、一部、下の方で光体が消えたあと、左上や右上に新たな光体が現れているからだと思います。
これを別の光体として認識していれば、単に古い光体が消えて、新しい光体が投下されただけだと思えるのですが、同一の光体だと認識してしまえば、移動しているように見えなくもありません。そのため「上下左右の移動」といった描写が生まれてしまったのだと思われます。
【疑問点2】照明弾なら下に動くはずだが、UFOは滞空している。
これは疑問点1と別バージョンですが、同じく動きに関するものです。UFOは高度が下がっていないのだから、照明弾ではない、ということのようです。
確かに、動画を見る限りでは滞空しているようにも見えます。ですが、本当に高度は下がっていないのでしょうか。疑問に思ったので動画をダウンロードして検証してみました。すると一見、滞空しているように見えたUFOも、実は高度が下がっていることがわかりました。
これは2、3分の間での動きですが、ゆっくりした動きであると、人間にはその動きがなかなか認識しづらいようです。
【疑問点3】UFOは15分間、目撃されていた。しかしこれだけ長い時間、滞空可能な照明弾はない。
15分というのは、最初の光体が目撃されてから、最後の光体が消えるまでの時間です。ひとつの光体が連続して見えていた時間ではありません。実際に撮影された動画を確認しますと、どれも大抵、2~3分ほどで消えていることがわかります。
そしてこの時間は、照明弾が光っている時間と一致します。(ちなみに知り合いの自衛隊員に話を聞いたところ、照明弾の中には5分近く光っているものもあるとのことでした)
また以下の動画のコメント欄では、パイロットのJaymz Bottという人が、同時刻に軍用機から照明弾がパラシュートで投下されるのを見たとのコメントを投稿しています。
【疑問点4】那覇から米軍の訓練場までは60キロも離れている。そんなに離れていては見えるはずがない。
私もこれは疑問に思ったので調べてみました。すると灯台の光達距離が参考になりそうだということがわかりました。
海上保安庁のページによりますと、現在、日本一光達距離が長いのは室戸岬灯台の約49キロです。明るさは160万カンデラ。2位は豆酘埼灯台の約47キロ、97万カンデラ。
これを見ると、明るさと距離は単純に比例するわけではないようで、たとえば足摺岬灯台は2位の豆酘埼灯台の半分にも満たない46万カンデラですが、光達距離は約38キロもあります。
そのため、どれくらいの明るさがあれば60キロでも見えるとは断定はできないものの、照明弾の中には100万~200万カンデラのものもありますから、見えても特に不思議はないように思います。
【疑問点5】沖縄のUFOは色がカラフルだが、照明弾はそんな色をしていない。
色がカラフルに見えるのは沖縄タイムスの動画と写真だけです。この動画は記事によると加工されているといいます。また映像をよく見ますと、UFOだけでなく、街灯類までカラフルに変化していることがわかります。つまり色がカラフルに見えるのは、加工の影響だと思われます。
ちなみに沖縄タイムスの記事では実際に見えた色を「オレンジ」としていました。オレンジ色の照明弾は知られていますので矛盾はありません。
【疑問点6】UFOが米軍の照明弾なら他の時期にも訓練していて目撃情報があるはずだ。
これは確かに疑問に思いました。そこで探してみたところ、昨年の8月に同様の目撃映像がYoutubeにアップされていることがわかりました。
以前から目撃情報はあったようです。にもかかわらず、今回ニュースになったのは第一発見者が沖縄タイムスの記者の息子さんだったということが影響しているようです。
1月27日放送の「とくダネ!」(フジテレビ)のインタビューによりますと、第一発見者は第一報を書いた記者の息子さんで、動画で会話しているのがこの親子なのだそうです。
つまり記者が息子に知らされて一緒に目撃、撮影もしたことで記事になる原動力になったのではないかと思います。逆にもし記事になっていなければ、テレビ等で取り上げられることもなく、ここまで話題にはならなかったかもしれません。
上下左右の動きって、どう見ても手振れですよね。きょうび、コンデジでも手振れ補正が付いてますが、それでも追いつけないくらの意図的かと取れる程に酷く大きなブレなので。
NHKでやった、イギリスの照明弾もスマホなので酷い揺れでしたが、それに似てますね。
>沖せんちょさん
私は一応、肉眼での目撃も前提に考えましたが、ビデオの映像でいうならば手ブレの動きが上下左右の原因かもしれませんね。
本城様
こんばんは、初めまして。ES335TDCと申します。以前から超常現象の謎解きのファンで、このブログも楽しく読ませてもらっています。
沖縄のUFO、少々残念な気もしますが ^^; 、確かに検証結果には納得させられますね。そう言えば、私は最初Yahooでこのニュースを見かけたのですが、沖縄タイムスのようにその後の続報は見た記憶が無いです (あるのかもしれませんが)。
発見者が記者の息子さんだなんて所も、なんか微笑ましいです。
>ES335TDCさん
はじめまして。以前からお読みくださり、ありがとうございます。
続報は沖縄タイムス以外にもいくつかあったのですが、最初の報道に比べると、最後の米軍が認めたという記事に関係する続報はかなり少ないものでした。
第一発見者のお子さんは、テレビのインタビューで見ましたが、なかなか利発そうでした。今回、沖縄のUFOのことを知られたのは、この子のおかげかもしれませんので、感謝したいところです。