『増補版 陰謀論はどこまで真実か』出版のお知らせ

本城です。

7月15日に、『増補版 陰謀論はどこまで真実か』(文芸社)という本が出版されます。これは2011年に出た『検証 陰謀論はどこまで真実か』(文芸社)に新たに情報を加えた増補版です。

陰謀論が扱われる状況は、この10年で大きく変わりました。トランプ前大統領の登場やSNSの普及もありますし、テレビでは毎年定期的に特番が組まれ、YouTubeでは陰謀論がすっかり人気コンテンツとなっています。

そうした状況の変化を踏まえ、新しい情報があればできるだけ盛りこみ、旧版にはなかった新章も加えました。旧版とほぼ同じなのは「フリーメイソンとイルミナティ」だけで、あとは書き下ろしているか、情報を追加しています。

ですので、旧版をお持ちの方が新たに本書を読まれても、きっとお役に立てることと思います。

本書の調査と執筆では、ASIOSのメンバーのほかに、外部からは陰謀論に詳しい米国現代史研究家の奥菜秀次さん、「やや日刊カルト新聞」総裁の藤倉善郎さん、そして北海商科大学教授の水野俊平さんにも加わっていただきました。

各陰謀論でいわれる主張のファクトチェック、流行の背景など、できる限りよく調べて、わかりやすく解説したつもりです。

目次は以下に示しました。近年、目にする機会が増えた陰謀論に興味をお持ちの方は、ぜひお読みいただければ幸いです。

目次

まえがき――増補版の発刊によせて(本城達也)

第1章 Qアノンとアメリカ大統領選挙をめぐる陰謀論

Qアノンこそ正しい情報で、トランプは救世主( ナカイサヤカ)
Qアノンは日本人にも大事な真実を伝えている「Jアノン陰謀論」( 藤倉善郎)
2020年アメリカ大統領選挙で野党民主党が大規模な不正を行った(奥菜秀次)

第2章 私たちの生活に関わる陰謀論

東日本大震災は「人工地震」によって起こされた!?(本城達也)
私たちは「思考盗聴テクノロジー」を使った「集団ストーカー」に狙われている(山本弘)
有害物質を大量に含んだ雲ケムトレイルが空に浮かんでいる! (寺薗淳也)
地球は温暖化などしていない(山本弘)

第3章 日本史の中で語られた陰謀論

孝明天皇は暗殺され、明治天皇はすり替えられた(原田実)
日本が朝鮮の民族精気を断つために風水を破壊した「日帝断脈説」(水野俊平)
第2次世界大戦で、日本は負けていなかった「ブラジル勝ち組陰謀論」(皆神龍太郎)
日本政府は「世界征服計画書」[田中上奏文]を作成した(藤野七穂)
「M資金」はGHQが接収した財産などをもとに極秘に運用されている秘密資金(原田実)
ロッキード事件はアメリカが仕組んだ田中角栄つぶしの謀略だった(原田実)
日航ジャンボ機は自衛隊の誤射で撃墜された(原田実)

第4章 アポロとUFOをめぐる陰謀論

アポロ計画で持ち帰った「月の石」は地球の石だった(本城達也)
アメリカ政府は「月面に異星人が住んでいる」という事実を隠蔽している(羽仁礼)
UFOをめぐる情報は隠されている―ロズウェル事件とエリア51(皆神龍太郎+本城達也)

第5章 世界史の中で語られた陰謀論

ノーベル賞は選考時に人種差別をしている(原田実)
ナチスによるガス室でのユダヤ人虐殺はなかった「ホロコースト否定論」(奥菜秀次)
同時多発テロは自作自演によって引き起こされた「9・11テロ陰謀論」(奥菜秀次)
ダイアナ妃はイギリス王室に謀殺された(ナカイサヤカ)
フリーメイソンとイルミナティとユダヤが世界を支配している(皆神龍太郎)

『増補版 陰謀論はどこまで真実か』出版のお知らせ”へ3件のコメント

  1. mogumogu より:

    10年前の前作がとても良かったので、増補版を早速購入して読み始めたところです。大変な検証お疲れ様です

    重版時に訂正が必要と思われる箇所がありましたのでお知らせします

    ・「ロッキード」及び「ロ社」の表記→正しくは「ボーイング」「ボ社」と思います

    216pの太字の表題内
    216pの最後の行
    217pの三行目

    1. 本城達也 より:

      ご指摘ありがとうございます。
      何度もチェックしたにもかかわらず、誤植に気づかず申し訳ありません。
      次回増刷時、および正誤表作成の際、必ず訂正致します。

  2. 大谷俊晴 より:

    質問です。
    219頁、青山氏がと事故調による報告書別冊で見つけた「異常外力」について、原田先生は
    『…「外力」というのは工学用語で単に材料の外側からかかる力を意味する。金属疲労によって機体を崩壊させるほどの圧力変動は、まさに機体の部品に対する「異常」な「圧力」だろう。「異常圧力」を機体外部からの攻撃の意味に解するのは曲解に過ぎない』とされていますが、航空機内の部品への圧力であるとするならそれは「内圧」と表したほうが適切に思えますし、またそもそも圧力隔壁損壊時に生じるであろうの急減圧や低酸素、激しい空気の流れなどの現象がなかったとの生存者証言があります。原田先生はもちろんご存じと思いますので、このあたり細く解説していただけないでしょうか。
    なお当方はと学会を経てをASIOSの書籍を全購入しているファンです。原田先生の的確で一切ないレポートも大好きです。何卒よろしくお願い致します。

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