新刊『検証 大震災の予言・陰謀論』が出ます
本城です。
ASIOSの新刊『検証 大震災の予言・陰謀論』(文芸社)が11月18日より全国の書店にて発売されます。今回は東日本大震災に関連して流布した陰謀論や予言、デマ、ニセ科学などを取り上げ、それぞれに検証しています。
執筆メンバーは50音順に、寺薗さん、ナカイさん、長澤さん、原田さん、本城、皆神さん、山本さん、横山さん。この他、外部から東日本大震災の海外報道に詳しいアンドリュー・ウォールナーさんにも執筆陣に加わっていただきました。
詳しい目次と各項目の担当者は以下をご参照ください。第3章は少なく見えるかもしれませんが、ウォールナーさんの記事が通常の記事の3、4本分の分量があるので、章全体としてはページ数が最も多いです。
ちなみに個人的に一番おすすめなのは、山本さんが執筆されている地球深部探査船「ちきゅう」の記事です。これはJAMSTEC(独立行政法人海洋研究開発機構)内のCDEX(地球深部探査センター)に協力していただいてまして、山本さんも直接関係者の方々に取材されています。震災当日のドキュメントにもなっていて興味深いです。
ご高覧いただければ幸いです。
目次
まえがき―東日本大震災の陰謀論、デマ、予言等を検証するために(本城達也)
【第1章】 東日本大震災は人工地震だった!?
東日本大震災は「地震兵器」により引き起こされた!?(寺薗淳也)
HAARPが人工地震を起こしている?(山本弘)
深さ10kmで起きる地震は人工地震?(山本弘)
大震災は地球人口半減計画の一環だった?(山本弘)
大地震は「18」に関係した日に起きる?(山本弘)
小説『GEQ』(柴田哲孝著)で描かれた世界は真実である?(山本弘)
[コラム]陰謀論者の注目の的? 地球深部探査船「ちきゅう」の本当の話(山本弘)
【第2章】 大震災後に持てはやされた”震災文化人”の主張を検証する
「わかりやすい」ブログで人気の武田邦彦氏(山本弘)
超直線仮説を主張した小出裕章氏(原田実)
NGOで環境・平和問題などに取り組んだ経験を生かして発言する田中優氏(原田実)
半減期を過ぎれば放射性ヨウ素は食べても無害と主張した苫米地英人氏(皆神龍太郎)
[コラム]海外”震災文化人”列伝—-クリス・バズビー、ヘレン・カルディコット、ロザリー・バーテル、アーネスト・スターングラス、バーナード・L・コーエン、ジョセフ・マンガーノ、ジャネット・シャーマン、インゲ・シュミッツ・フォイヤーハーケ(ナカイサヤカ)
【第3章】 大震災後に広まったデマ・誤信
原発事故を予言したとして新たに脚光を浴びた怪文書「原発はどんなものか知ってほしい」(原田実)
震災後にレイプが多発した?(山本弘)
原発は核爆発する?(横山雅司)
[コラム]震災後、海外メディアが伝えた陰謀論・デマ・ニセ科学(アンドリュー・ウォールナー)
【第4章】 大震災後に広まった予言とニセ科学
県名や地名をピタリと言い当てた(?) 松原照子氏の予言(本城達也)
特撮番組でヒーローを演じた小林朝夫氏の予言ブログ(原田実)
スーパームーンが大震災を引き起こした?(寺薗淳也)
ジュセリーノ氏、ロン・バード氏、ベンダンディ氏、王超弘氏の大地震にまつわる予言(本城達也)
放射能対策に有効なホメオパシーのレメディが開発された?(長澤裕)
放射性物質除去にはヒマワリが効く?(長澤裕)
玄米や味噌、乳酸菌が放射能除去に有効?(ナカイサヤカ)
座談会―放射能を「正しく怖がる」とは? 陰謀論はなぜ生まれるか? デマや陰謀論に騙されないためには?
『検証 陰謀論はどこまで真実か』に続く「出てほしいとおもうテーマ」での新刊発売を大変うれしく思います。
私自身、人工地震説についてはいろいろと調べていた立場なので、かえってこの陰謀論がどの程度世の中に浸透しているかわからなくなっていました。
検証する側の本がこうやって出るということはそれなりに広まっていたのかなと思う次第です。
明日あたり、本屋さんで買ってきます!
出すのではないかと思ってたら、やっぱり出ますね。某あまぞんに注文いたしました。
とくに2、3章の検証が興味あるです。
人工地震説検証本が出ましたね
タイトルの通り人工地震説を検証してる本が出版されました。 検証 大震災の予言・陰謀論 “震災文化人たち”の情報は正しいか ASIOS アンドリュー・ウォールナー これまでも超常現象やオカルト、陰謀論、超古代史などの怪しげな話を調査して検証を出してきたASIOSの新刊。 人工地震説だけでなく、原発や放射線に関する“独自の”解説などで急にもてはやされるようになった人たちの発言の信憑性についてなども検証しています。 この本の中でリチャード・コシミズ氏の説もばっちり検証対象となっています。それも1番最初。 …
>zingorohさん
ありがとうございます。
リチャード・コシミズ氏の本などはかなり売れているみたいなので、そういった本の読者の間には広まっていると思います。ただ座談会でも皆神さんが少し触れているのですが、世間一般でも広まるまでには、まだ至っていないようです。
>タノQさん
ありがとうございます。
2章、3章は普段あまり扱わない話題ですが、何らかの参考になれば幸いです。
先ほど読み終えました、相変わらずある意味痛快で新鮮かつ、(主張の)頭が痛くなる内容でした
『ちきゅう』関係者へのインタビューを初めとしたコラムは、普段知りえない情報満載で、有難い限りです
以前震災後にあった海外の反応が随分大げさに思えたのですが、ウォールナー氏のコラムを読んで「ああ、こんな報じ方をされたら日本全土があんな状態だと思うのも無理ないな」と改めて実感した次第です
座談会は購入された方々は絶対見てほしい、いやこれ読んだら本文いらない。
というのは冗談ですが、「ケガレの思想」云々はある意味納得できる部分でもあり、ただ海外でも似たようなケースはどのように解釈すれば?みたいなところも
あとBSEの話題も出てましたが、あの頃怖いと騒いでした主婦達はいま、米国産の牛肉を不買し続けてるのか興味深いところであります
個人的に天災に対して意味を求めるのは、結局神や悪霊に原因を求めるのを、陰謀論に置き換えてるにすぎないように思えます
最後に本城氏の一文に変えて終わりにしたいと思います、長文失礼いたしましたm(-_-)m
『人は自分の考えに合致した情報を受け入れやすいですから』
>???さん
ご高覧ありがとうございます。
穢れについては、本質的に似たところは日本だけでなく海外でもあるため、同じようなことが起きるのかもしれません。
人工地震説検証本が出ましたね
タイトルの通り人工地震説を検証してる本が出版されました。 検証 大震災の予言・陰謀論 “震災文化人たち”の情報は正しいか ASIOS アンドリュー・ウォールナー これまでも超常現象やオカルト、陰謀論、超古代史などの怪しげな話を調査して検証を出してきたASIOSの新刊。 人工地震説だけでなく、原発や放射線に関する“独自の”解説などで急にもてはやされるようになった人たちの発言の信憑性についてなども検証しています。 この本の中でリチャード・コシミズ氏の説もばっちり検証対象となっています。それも1番最初。 …
昨日、本屋でこの本を買いました。よくリサーチがあって感心しました。
読んでいて気になることがあったのでちょっと書きます。
本書の中に登場する「原発は核爆発する?」という部分ですが、この誤解はフィクションによる影響が大きいと思います。
というのもアニメのガンダムシリーズでモビルスーツが搭載しているエンジン(原子炉)が破壊されると核爆発が発生するという描写がやたらと登場するからなんです。先日、新宿ピカデリーでイベント上映された「ガンダムUC」第4話でも、モビルスーツを撃破したパイロットが「エンジンを破壊して核爆発が起こらないか」心配する描写がありました。
視聴者の中にはこれを見て「原子炉が破壊されると核爆発が起こる」と思ってる人が結構いるそうです。
さらに補足すると、ガンダムでも作品によって設定は一貫していないんです。「原子炉の破壊=核爆発」を採用しているのは富野監督作品と「第08MS小隊」「ガンダムUC」で、それ以外の作品(「0080」「0083」「MS IGLOOシリーズ」)では核爆発は起こってません。
>超監督ハルヒさん
ご高覧ありがとうございます。
核爆発についての誤解ですが、おっしゃるようにフィクションの影響もあるのかもしれません。ただ一般の方にとっては、原爆からのイメージも強いのではないかとも思います。
ガンダムの動力源て原子炉だっけ?
ずっと核融合炉だと思ってたんだけど…
(いや、ネットで調べればすぐわかるんだろうけど、ちと疲れてるのでやってません)
>ながぴいさん
ガンダムWikiによれば核融合炉みたいです。
http://hiki.cre.jp/GUNDAM/?NuclearFusionReactor
先週の日曜に久々に覗きに来て、発刊を知り、早速オーダーし、あっという間に読んでしまいました。
mixiあたりでも、震災陰謀コミュが立っていましたが、こういう人たちって、反論書かれて不利になるとすぐに「工作員」扱いするので、議論にならないんですよね。
困ったもんです。
>沖せんちょさん
ご高覧ありがとうございました。
工作員といえば、1月に陰謀論を扱った本を出したあとでは、ASIOSのメンバーにフリーメイソンがいるとか、工作員部隊だとか書かれたことはありました。
遅ればせながら、購入して読みました。
放射線に関する人々の無知はまあ分かってはいたことですが、今回の震災による事故で一気に無関心→死活問題へと切り替わったことで、その隙につけこんでいろいろ吹聴する輩が増えて困ったものです。
ニュースで聞いたことを真に受けるより、「まずは落ち着け」と言いたいところなんですが、肝心の国の対応のまずさもあり(略
それはさておき、そんな混乱してる人にこそ読んで欲しい本ですね。
自分はそんなにテレビとかよく見てるわけじゃないので、取り上げてあるうちの半分くらいは初耳だったんですが、そういうネタを丁寧に取材、調査して結論を出す過程は相変わらず見事です。
「ちきゅう」の記事も面白かったですね。こんなでかい調査船があったとは知らなかったです。「地球シミュレーター」は聞いたことがあったんですが。
あと、第08MS小隊でも「融合炉の誘爆」は実際には起きてませんよ。起きる可能性があるという旨の発言はありますが。(核爆発という言葉は使われてませんでした)
たぶん、核爆発という意味ではなく、融合炉内で封じ込めているエネルギーが融合炉の破壊によって解放されることを「誘爆」と言っているのではないでしょうか。
そもそも、核融合は核分裂と違って連鎖反応が起きにくい(というより、反応を維持するのにものすごく手間が掛かる)ので、炉が破損して制御不能になったとしても自己収束すると思うんですが。
そういえば、「ちきゅう」のコラムで22cmのパイプに「爆弾を通すのはかなり難しそうだ」と書かれていますが、不可能ではありません。
アメリカでは大砲の砲弾に核を仕込んだ核砲弾と言うのを研究していて、22cm以下のものであれば8インチ(203mm)と155mmというのがあります。詳しくはwikipediaの「核砲弾」のページをご覧ください。
だけど、もう20年近く前に廃止されてるんですよね……。
きっと次は「廃止したと言うのは情報操作で、今も保管してある」とか「さらに小型の核弾頭を開発云々」とか言うんでしょうね、陰謀論大好きな方々は……。
>紗崎さん
ご高覧ありがとうございます。
22センチのパイプに爆弾を通す件は山本さんに伝えておきたいと思います。
それと「融合炉の誘爆」云々の話がどこに書かれていたか思い出せなかったのですが、どの記事のことかご教示いただけないでしょうか。
すみません、「融合炉の誘爆」に関しては本記事からかなり脱線しております。
超監督ハルヒさんの
>「原子炉の破壊=核爆発」を採用しているのは富野監督作品と「第08MS小隊」「ガンダムUC」で、
のあたりに対するレスになります。(作中の表現に合わせて「融合炉」という表記にしました)
今後は流れから逸脱しないよう気をつけます。
>紗崎さん
気が付かずに失礼しました。コメント欄の話ということで了解しました。
改めて読み返していて気付いた点ですが。
P.79下段の「米国は核兵器、生物兵器、科学兵器、(以下略)」で、科学兵器は「化学兵器」の誤記ではないでしょうか。
いわゆるNBC(核、生物、化学)兵器の順番に沿ってますし、科学兵器ってあまり聞いたことないですね。
もしかしたら小出氏の原文がそもそも間違っている可能性もありますが。
>紗崎さん
ご指摘ありがとうございます。
引用元を確認したところ正しくは「化学兵器」でした。増刷の際に訂正します。
震災一周年で書店に並んでいたものをたまたま買い、読ませて頂きました
大変ためになる内容で、広瀬隆など私も漠然胡散臭さを感じていたのですが、具体的な問題点が指摘されていて非常に良かったです
原発反対派に属する人の主張を批判したものはネット上にもたくさんありましたが、素人にはその批判が正しいのか今一つ判断がつきませんでした
地震兵器という陰謀論についても、荒唐無稽そうで有りえなさそうとは思いつつも、浜田議員の国会発言もあり、完全には否定仕切れずに引っかかりがありました
これについても具体的な問題点が分かり良かったです
ASIOSという団体を初めてこの本で知り、団体の他の著作や所属メンバーの著作(と学会などの著作)を今読み漁っています
今後も貴団体の疑似科学や陰謀論に対する批判活躍での活躍を期待します
さて、そんなASIOSとそのメンバーにも私には少し不満があります
それはこれだけ広範囲に渡って様々な疑似科学や陰謀論を批判しているのに、捕鯨問題に関する問題がブログを含め全く扱われていない事です
明らかな疑似科学や陰謀論があっても、政治的圧力(特に体制側ではなく市民層からの圧力)がかかりそうなテーマは避けている、そんな印象を受けます
海外の疑似科学批判者は、創造科学、反温暖化論、ホメオパシーといった政治的な圧力がかかるテーマも勇気をもって批判しています
捕鯨問題は推進派反対派双方に感情論に基づいた主張が目立ちますが、日本では推進派の陰謀論や疑似科学に対する批判は非常に弱く、一方で反対派の主張はわざと感情論的なものやシーシェパードのような極端な団体だけを取り上げて批判し、海洋生物学者の真摯な主張には一切耳を傾けません
ネット上の懐疑主義者とされる人達でも、捕鯨問題には推進派にべったりだったり、ここのように問題に触れない所が殆どです
もしかしたらネオ右翼によるブログ炎上などを警戒しているのでしょうか?
「と学会」は日本に疑似科学批判を定着させただけにそのメンバーも所属する貴団体が取り上げる事は影響力が強く意義が大きいと思います
避けているのでなければ、今後捕鯨問題をめぐる陰謀論や疑似科学を取り上げて批判する予定はありますか?
勿論捕鯨推進派、反対派の一方ではなく双方への批判を取り上げる形が良いでしょうが
>タイガさん
ご高覧ありがとうございました。
>これだけ広範囲に渡って様々な疑似科学や陰謀論を批判しているのに、捕鯨問題に関する問題がブログを含め全く扱われていない事です
そもそも超常現象の話に比べれば、疑似科学や陰謀論はおっしゃるほど扱っていません。
また公式サイトのトップでも明記していますとおり、ASIOSがメインで扱うのはあくまでも超常現象です。ときに疑似科学批判を行うことはあっても、その啓蒙を目的とした団体ではありませんので、そこはご理解いただければ幸いです。
>明らかな疑似科学や陰謀論があっても、政治的圧力(特に体制側ではなく市民層からの圧力)がかかりそうなテーマは避けている、そんな印象を受けます
>海外の疑似科学批判者は、創造科学、反温暖化論、ホメオパシーといった政治的な圧力がかかるテーマも勇気をもって批判しています
あげられているテーマの中にはこれまで取り上げたものもありますので、避けているということは全然ありません。
捕鯨を取り上げなかったのは比較的興味が薄いからだと思います。
メンバーの多くは超常現象に興味を持っていますから、興味が薄かったり、アンテナに引っ掛からなかったり、他と比べて優先順位が低くなったりすることもあります。(圧力云々抜きに、取り上げていないテーマは他にもたくさんあります)
>避けているのでなければ、今後捕鯨問題をめぐる陰謀論や疑似科学を取り上げて批判する予定はありますか?
残念ながら今のところ予定はありません。理由は上述のとおりです。