イギリス国防省のUFO公開資料
羽仁礼です。
先月所要でロンドンを訪れたのですが、出発予定の2月18日、朝ホテルでテレビを点けると、他のニュースに混じって、イギリス国防省がUFOに関し6000ページにも及ぶ資料を新しく公表したと報じておりました。
まずは、ヒースロー空港に出発するまでの待ち時間を利用して、ホテルのロビーにあった「インデペンデント」紙を読んでみました。内容は、チャーチルもUFOに関心を持っていたとか、1997年、当時のマイケル・ハワード内務大臣宅上空で三角UFOが目撃されたとかいうものです。
こうした機会も滅多にないので、空港のニューススタンドでは何種類か新聞を買いあさってしまいました。それらを総合すると、今回公表された資料は1994年から2000年までのもので、しかも「UFO熱狂者」の報告がほとんどであること、今回は5回目の資料公表だということです。
イギリスの新聞はいわゆるオカタイ「ブロードシート」と、大衆向けの「タブロイド」に大別できるのですが、今回「ブロードシート」では「フィナンシャル・タイムズ」「ザ・タイムズ」「ガーディアン」、「タブロイド」では「デイリー・メール」「デイリー・エクスプレス」「ザ・サン」を手に入れました。
このうち「フィナンシャル・タイムズ」(略すとFT)は経済専門誌のため、問題のUFO記事は載っておりませんでした。記事の大きさは半ページから、紙面の8割くらいまで。一番扱いが大きかったのが「ガーディアン」と「デイリー・メール」ですが、いずれにしてもページ内に収まる程度の扱いです。
各紙の報道では、内務大臣宅上空のUFOやチャーチルの関心のほか、1999年のタイ航空乗客の目撃事件、1993年チェルシーのサッカー場上空の目撃事件などが具体例として取り上げられていました。
このうち、以前は円盤型が多かったのにその後三角UFOが増えたという形態の変化を指摘しているのが「インデペンデント」「ザ・タイムズ」「デイリー・メール」で、「インデペンデント」と「ザ・タイムズ」は、三角UFOとテレビ番組「Xファイル」の関係を指摘しつつ「異星人がXファイルを見ているのか、人々の想像力がポップカルチャーに影響されているのかのどちらかだろう」というデヴィッド・クラークのコメントを引用していました。
大衆向けの「タブロイド」も含めて、これらUFO報告はけっこう怪しいというニュアンスが強く、日本では「東京スポーツ」あたりに位置付けられるはずの「ザ・サン」などはチェルシーのサッカー場事件を強調し、「異星人がサッカーを観に来た」などと書いていました。
なお、文中のデヴィッド・クラークは、シェフィールド・ハレム大学でジャーナリズムを講義しており、国立公文書館の顧問でもあります。昨年『UFO files』というペーパーバックを公文書館出版部から刊行しております。関連ブログは以下のとおり。
>http://drdavidclarke.blogspot.com/
また、問題のUFO資料は以下のサイトでダウンロードできます。
>http://ufos.nationalarchives.gov.uk/
ところで、アシオスは、今話題の児童ポルノ法の改正案についてコメントしないのでしょうか。
賛成派の主張はオカルト、疑似科学なのですが。
特にコメントをする予定はないです。
そもそもASIOSは超常現象を懐疑的に調べる団体であって、非合理批判を行なうことが目的ではないですから。