興味深いUFO目撃報告の例
こんにちは。蒲田です。
今回は『未確認飛行物体の科学的研究(コンドン報告)』から、UFO目撃報告を引用してみようと思います。
その前に、この報告書の位置づけについて軽く触れます。UFO研究については、詳しい方と詳しくない方の知識の差がとても激しいので、「アメリカ政府がUFO研究をやっていた」と言うとUFOビリーバーの与太話のひとつと誤解している方もわりといるようです。
しかし、1940年代後半~1960年代まで、米政府がUFO研究を行っていたのは事実です(正しくはUFO目撃報告の研究)。
米空軍が主体となり、最盛期にはUFOフリークにも負けない熱心さで現地調査も行っていました。そういった調査の経験から目撃報告の殆どが興味深い結果をもたらさないことが判明すると、規模は縮小し熱心さはなくなりましたけれども。
「コンドン報告」は、コロラド大学が行ったUFOの科学的な研究で、アメリカ政府がUFO研究を終了するきっかけとなったものです。私はこの報告書を、最初で最後の「真に科学的なUFO研究書」ではないかと考えています。
それでは体験談をどうぞ。この体験談は皆同じものを見たということが判明しています。目撃者は何を見たのでしょうか?
【物体の性質】
- 降下し、それから見事な編隊で前方に進んでいました。破片が重力に逆らえるのでしょうか?
- 物体の経路が水平だったので物体を衛星の破片や流星だとは思いません
- 実在する物体には見えませんでした。
【物体の出現】
- 目撃者は皆……翼のない細長いジェット機のようなものを見ました。前も後ろも燃えていました。目撃者は皆、窓がたくさんあるものを見ました。……もしUFOに誰かが乗っていて、窓の近くにいれば、見えたと思います。
- 太い葉巻のような形に見えました……。こちらから見える側には四角い窓があるようでした……。機体は多くの板で構成されていて“リベット”打ちされているようでした……。“窓”の内側から光が漏れているようでした。
- 普通のお皿を逆さまにして上部の出っ張りをなくしたものという感じです。皿よりもすこし細長かった。底の真ん中が出っ張っていて、それは底の半分程度ありました。
- 炎は見えませんでしたが……金色の花火がたくさん見えました……。私の考えでは、それはライトが3個ついた固体燃料ロケットか、3個の楕円形の円盤型の飛行体です。
- あきらかに円盤型をしていました。
- 後部から金属の火花を噴射していました。
【編隊飛行】
- 間違いなく軍用機の編隊飛行でした。
- あれが隕石だとすれば、編隊飛行する隕石なんて初めてです
- 1個の物体がもう1個を追跡しているように見えました。追跡されている方が速度が速いようでした。追跡側は……もう1個の方を撃墜しようとしているように見えました。
【距離と範囲】
- だいたい木の高さ付近で、非常にはっきりと見えました。数ヤードしか離れていませんでした。
- 私たちは、尾をたなびかせた2個のオレンジ色の光体を目撃しましたが、その距離は2ヤードほどでした。
- 自分の町の南にある雑木林に墜落したと思いました。
【応答と反応】
- 私は本当にUFOを見たいと思っていました。だから大声を出したのを覚えています……。『これは自然現象じゃない。本物のUFOだ』と。私は……UFOとコンタクトを取ろうとしました。私は懐中電灯を持ち……モールス信号を送りました……。はっきりとした応答はありませんでした……。家に帰った後、眠気が襲ってきました……。飼い犬が2個のゴミ箱の間を通って……、死ぬほど怖がっているようで、クンクン鳴きながら道のゴミ箱の間にうずくまっていました……。人間には聞こえない高周波のせいでしょうか?
- 望遠鏡を持って外にいた11歳の息子が怯えていました。
何を目撃したときの報告か分かったでしょうか?明らかに情報が不足しているので、この目撃証言から正体を推測することはできないと思います。
実は、これらの証言は、全て「ゾンド4号(アポロ計画の対抗としてソ連が行っていたソユーズL1計画の実験用無人宇宙船)」が大気圏再突入(一度、地球から30万kmの宇宙に出てから重力で地球に落下)したときの様子を語ったものです。
実際にはバラバラになった宇宙船の破片が大気との摩擦で燃えながら落下していたのですが、目撃報告の多くはUFOとしか思えないものになっています。
もちろん、「酷い目撃者ばっかりだ」という意味で紹介したのではなく、人間は誰しも、見慣れないものを見たときに、それがどういったものかをきちんと把握するのは難しいことなのだということが伝えたかったのです。
超常現象の報告では、体験談や目撃証言が重要視される場合が多い(それ以外に証拠がないので当然ですけれど)のですが、体験談の扱いはとても難しいということが、この例から分かるのではないでしょうか。