『明日葉-Files season1』

本城です。

最近、小説を読みましたのでその紹介です。

明日葉‐Files―Season〈1〉 (幻狼ファンタジアノベルス)

明日葉‐Files―Season〈1〉 (幻狼ファンタジアノベルス)

  • 作者: 本田 透
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
  • 発売日: 2010/04
  • メディア: 単行本



タイトルは『明日葉-Files season1』。超常現象をテーマにした小説です。リアリストの元政治部新聞記者・御陵一郎(みささぎいちろう)と、筋金入りの肯定派・蹴上明日葉(けあげあすは)が織りなすドタバタ劇。

御陵は冒頭にて「総理、その髪、カツラですか?」のヅラ発言で左遷されてしまうのですが、その飛ばされた先が「月刊マジカル・ミステリー・ジャパン」という超常現象専門誌の編集部。明日葉は、そこの編集長という設定です。

二人は性格も考え方も180度違う、まさに水と油の関係。常に論争を繰り広げるあたりは、けっこうベタかもしれません。

本書は学研の『ムー』編集部が取材に協力しているそうで、登場するネタはノストラダムスの予言に始まり、ロズウェル事件、竹内文書、2012年滅亡説ほか、ここでは全部書ききれないくらい、たくさんあります。

しかも参考文献を見ると、『懐疑論者の事典』などのいくつか懐疑的な本も挙げられている影響か、懐疑的な話も紹介されています。(ただ御陵の話には首をかしげるものもありますが)

全体的に論争シーンが多いため、同じ超常現象をテーマにした小説でも、『ロズウェルなんか知らない』『七時間目シリーズ』と比べると少しテンポが悪いです。

ただ、二人のやり取りの中にはツボにはまるところもあるため、笑えるところもあります。私は途中で少し中だるみしたものの、続きが気になり、結局一日で読み終えました。5段階評価だと3.8くらいでしょうか。

ちなみに今回は石川県のモーゼの墓とコスモアイル羽咋がメインの石川編でしたが、8月末に発売の第二弾では京都編となって、また続きが読めるそうです。興味をお持ちの方はそちらのチェックもお勧めします。

【追記】 明日葉が作中で使用している宇宙人パソコンというのは、以前、蒲田さんがこのブログでも紹介していたAlienwareのパソコンです。作中ではイラストがなく文章のみの説明だったので、これらを見ておくとイメージしやすいかもしれません。

『明日葉-Files season1』”へ4件のコメント

  1. タノQ より:

    5段階での評価が3.0を超過すれば買ってでも読む本だと感じたですが、とりあえず明日葉‐Filesでなくて4.0強は達成しそうなほう、ロズウェルなんか知らない、を購入予定つかまつります。ついでに同じ著者の、ゴサインタン、も面白そうです。
    …すでに先月から今月にかけてもう本なん冊もナン冊も散財してて、ほぼビョーキみたいな私…
    ご存知かも知れんですが北森鴻の蓮丈那智シリーズ面白いですよ、以前ブログご紹介あった日本トンデモ人物伝とクロスする内容であります。

  2. 沖せんちょ より:

     宝達志水町のモーゼの墓….。
     まぁ、そこそこ近いので(車で一時間少々)行った事ありますが、途中の道の両脇の土地の地主が設置した「立入禁止」の看板が妙にリアルでしたね。場所も微妙に解りづらいですし、なにより作っただけでほったらかし(^^;。
     場所自体は虫が多いし植生が濃いので、冬場の雪がない時期じゃないととても散策できる場所じゃないです。
     ただ、小説でどんな「とんでも」状態になっているかは興味ありますね。

  3. 紗崎 より:

    追記欄において、
    ×外環 → ○外観 だと思うデスよ。
    なんか某少女漫画を連想するなぁ、と思ったら作者名が……いえ、なんでもありません。
    こういう小説が増えると、若い世代も懐疑的な思考が身につくんでしょうか。
    まあそもそも内容が懐疑的なのかはちょっと怪しげですが。

  4. 本城 より:

    >タノQさん
    >「ロズウェルなんか知らない」
    明日葉でも途中で出てくる「超常現象で町おこし」がテーマなのですが、こちらの方が登場人物も多くて面白いです。
    ご紹介の蓮丈那智シリーズはチェックしておきたいと思います。
    >沖せんちょさん
    モーセの墓は真夏に行った人の話だと虫除けスプレー無しでは相当キツイと聞いたことがあります。私が行ったときは初夏で、途中までどしゃ降りの雨だったこともあり、虫は少なめでしたが、それでも帰りにタクシーに乗るときに服を見たら、虫がついてました(^^;)
    >紗崎さん
    誤字のご指摘ありがとうございます。早速訂正しておきました。
    >こういう小説が増えると、若い世代も懐疑的な思考が身につくんでしょうか。
    この小説の場合は微妙な気がします。主人公の一人である御陵は懐疑的なスタンスではあるのですが、幽霊が見えるかもしれないという設定でありながらそれを深く追おうとしなかったり。
    私が同じ立場だったら、とことん追求するんですけどね。嘘が嫌いというのはいいものの、相手を論破することに熱中してしまう傾向は共感できませんでした。
    ただ時に対立しながらも、どこかでお互いを認めているあたりはいいと思いました。

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