エイモス・ミラー事件の資料メモ

※2012年5月14日追記
UFO研究家・高梨純一さんの1969年の研究誌に載っていたエイモス・ミラー事件についての情報をTogetterに追記しました。http://togetter.com/li/294387

※2012年5月8日追記
machtさんが「New Zealand scrapbook」の記事を翻訳してくださいました。日本語の内容をお知りになりたい方はmachtさんの記事「エイモス・ミラーについてのテキスト」をご覧ください。

※2012年5月1日追記
23行目のorをofに訂正し、抜けていた最後の2段落の文章を追加。

本城です。

以前から「エイモス・ミラー事件」という興味深い事件を追っているのですが、その資料を整理する場が必要になったので暫定的に新しく記事を書きました。

今回、新たに入手した資料は「New Zealand scrapbook」(April 1968-September 1968, p165)です。これはカナダの『Midnight』(ミッドナイト)というタブロイド紙がエイモス・ミラー事件を報じ、その記事が地元のニュージーランドで紹介されたときのものです。
※画像はこちら。右上にカーソルを合わせるとフルサイズボタンが表示されます。

ただし保存状態が悪かったらしく、一部、文字がかすれて読み取りづらくなっています。それでも何とか苦労しつつ、読み取ってみたものが以下のテキストです。もし、ここは違う言葉ではないか、などご意見ありましたらご指摘ください。
※このエントリーは暫定的なものです。今後随時、追記や編集を行っていく可能性があります。

Spacecraft rays kill kiwi cockie
FLYING saucers shooting mysterious death-dealing rays have killed a New Zealand sheep farmer. And a secretive Government has hushed the whole business.
ONE minute Amos Miller, 39, was standing there. Next moment he was on the ground, his head burnt by a ray from a hovering spaceship. Science fiction?
Better than that. It’s the Canadian brand of way-out journalism.
Midnight magazine has come up with a sensational story about this flying saucer murder.
In its lead story Midnight says the incident happened in New Zealand early February this year.
But Midnight doesn’t say where the killing was.
It does say that after the autopsy “It was found beyond a doubt that Amos Miller had been murdered by some unknown being or beings inhabiting a strange flying vehicle…”
With the public welfare obviously driving it onward Midnight says “this is the second case of a death due to a UFO, that Midnight has reported, under the conviction that the public does want to know.”
With its graphic and grisly photographs of a dead Amos Miller. Midnight seeks to expose the authorities for daring to hide the facts about the deadly UFO incident.
But Midnight isn’t too thorough or careful about facts.
The doctor who headed the “team of top medical men in Auckland who performed the autopsy” isn’t listed in the New Zealand medical register.
Midnight says he is Dr John Whitty.
Whitty is quoted: “It’s the most unusual thing I’ve even seen. Aside from the missing skin of the skull there are no marks on the body.”
Sunday News inquiries failed to reveal that an Amos Miller died in early February, or that any autopsy was performed on such a person’s body.
Mr Henk Hinfellar president of New Zealand’s UFO investigation organization says Midnight recently printed a similar article.
The similarity between both articles was obvious — the lack of facts, locations, names, evidence.
“I think this magazine just picks way-out places to locate those sensational stories. Come Canadians haven’t heard of New Zealand. So it makes a good place to locate a make believe story.”
Telephone calls to Midnight’s Chicago and Montreal offices went unanswered.
When Sunday News called it was 5.30pm North American time. Maybe they simply close early for a newspaper office—even a paper called Midnight.
Then again, perhaps the paper was astray on only some of its facts.
After all — how many Kiwis are called Amos? Anyway, it made a good story.

エイモス・ミラー事件の資料メモ”へ10件のコメント

  1. macht0412 より:

    こんにちは。改めて画像見ておりましたが、このあとさらに2段落あるようですね。起こしてみましたが、これだと何だかよくわかりません(笑)。取り急ぎのお知らせでした
    Then again, perhaps the paper was astray on only some of its facts.
    After all– how many Kiwis are called Amos? Anyway, it made a good story.

  2. Asch_JP より:

     いつもASIOSの著書,ホームページを興味深く拝見しています。
     今回の件も,RTされてきたtogetterのまとめで興味を覚えていました。
    「grisly photographs or a dead Amos Miller」の箇所は「or->of」ではないでしょうか?文脈からはそのように推測されますし,oの字の上の方が切れているので,隣の字もfの上が少し斜めに切れたものと推測できます。

  3. 本城 より:

    >macht0412さん
    ご指摘ありがとうございます。読み取った文章を貼り付けるときに最後の2段落が抜けてしまっていました。先ほど追記しました。
    >Asch_JPさん
    ご指摘の箇所を拡大して確認したところ、ofの上の白い部分が僅かに残っていました。orですとそこに白い部分は表示されないはずなので、おそらくofですね。ご指摘ありがとうございます。さっそく訂正しました。

  4. kz より:

    1969年発行の空とぶ円盤特別情報(近代宇宙旅行協会発行)にエイモス・ミラー事件がトップニュースで掲載されています。
    既にご存知かもしれませんが、ご一報します。

  5. 本城 より:

    >kzさん
    貴重な情報をありがとうございます!
    空とぶ円盤特別情報にトップニュースで扱われているとは知りませんでした。
    入手は困難そうですが、なんとか手に入れて確認したいと思います。

  6. kz より:

    追加情報としまして、空とぶ円盤研究No.63(近代宇宙旅行協会1969年8月号)の中に次の見出しがあります。”又も空とぶ円盤による殺人?全裸で死んでいた農場所有者夫妻”。
    この中でミラーの事件は、オーストラリアのUFOIC・ニューズレターによると、”ミラーの件は作り話であることが明らかになった”と報じているという事です。元々の出所はミッド゜ナイト誌となっています。
    以上

  7. エイモス・ミラーについてのテキスト

    例の「エイモス・ミラー事件」であるが、研究家のmagonia氏、本城達也氏らの活躍により発掘された「New Zealand scrapbook」(April 1968-September 1968, p165)というテキスト(本だかパンフレットだか何だかわからんのだが)があって、本城氏のASIOSサイトに該当部分を起こしたのが掲載されているんだが、これをザックリ訳してみた(ちなみにASIOSサイトには興味深い続報も随時掲載されているようで要注目である)。 よくわからんところは適当に流してるので誤訳している可能性は高いが、概略こんな感じということで。 宇宙船の光線がニュージーランド人を殺害 奇怪な殺人光線を発する空飛ぶ円盤が、ニュージーランドのある牧羊農場主を殺害したが、秘密主義をとる政府はすべての情報を封じ込めてしまった。 39歳のエイモス・ミラーは、一分前にはそこに立っていたのだ。ところが次の瞬間、彼は地面に倒れており、頭部は空中に浮かぶ宇宙船が放った光線により焼け焦げていた。これはSFなのか?  いや、それ以上のものである、とはいえる。それはカナダの、いささか胡散臭いかもしれないが、とりあえずはジャーナリズムが報じた話なのだから。 この空飛ぶ円盤による殺人に関するセンセーショナルな話を報じたのは、雑誌「ミッドナイト」。この「ミッドナイト」誌のトップ記事によれば、この事件は今年2月の早い時期にニュージーランドで起こった。しかし、「ミッドナイト」誌はその場所がどこだったかは書いていない。 記事はこう記している。解剖後、「エイモス・ミラーが不思議な空飛ぶ乗り物に搭乗していた未知の生物により殺害されたことが明らかになった。そこにはもはや疑問の余地はない」。 大衆の身の安全という問題にかこつけて「ミッドナイト」誌はこう言っている。「大衆が知りたがっている事項であると確信しているが故に本誌はUFOによる殺人事件について報じてきたわけであるが、これはその2件目となる」。 グラフィックや死んだエイモス・ミラーを写したゾッとするような写真を掲載しつつ、「ミッドナイト」誌は、死亡者の出たUFO事件についての事実を敢えて隠蔽しようという当局の姿勢を暴き出そうとしている。 しかし、「ミッドナイト」誌は決して「事実に徹しよう」とか「事実を注意深く扱おう」としているワケではない。「解剖を担当したオークランドの優秀な…

  8. 本城 より:

    >kzさん
    追加の情報ありがとうございます。
    大変参考になります。こちらも合わせて入手したいと思います。
    ところで、kzさんはもしかして丹羽公三さんでしょうか?
    近代宇宙旅行協会の会誌で検索すると丹羽さんのKz.UFO現象調査会がヒットするので、もしかしたらkzさんは丹羽さんなのかなと……
    いずれにせよ、近代宇宙旅行協会の会誌をお持ちの方からご教示いただけて光栄です。

  9. kz. より:

    ご推察通り、丹羽公三です。最近貴ブログに辿り着き、読ませて戴きました。中々過去の有名な事件を掘り下げて調査する事は大変ですが、素晴らしい試みだと思います。
    以上

  10. 本城 より:

    やはり丹羽さんだったのですね。ご教示いただけて大変光栄です。
    40年以上前の事件を掘り下げるのは大変ではありますが、このように埋もれていた情報に出会えるのもまた楽しみのひとつであります。
    また進展がありましたら追記致します。

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