『ビートたけしの超常現象Xファイル』の画像類を考察
本城です。
先月27日に放送された『ビートたけしの超常現象Xファイル』において、写真や動画がいくつも紹介されていました。
その中には、正体の見当がつくものもあれば、初見ではわからないものもありました。そこで、その後に調べてみた結果も踏まえて、以下にまとめたいと思います。
防犯カメラ映像に映った白いもの
防犯カメラ映像の類はいくつかありましたが、蛾やクモの糸についた虫などの可能性が高そうです。
白く光っているように見えるのは赤外線を近い距離で反射しているからで、一部が透けているように見えるのは、カメラのすぐ近くでピンぼけしているからだと思います。
蛾のような飛行物体は前回も扱われていました。ASIOSではカメラの機種も特定していて、すでに入手済みなのですが、残念ながらまだ適当な蛾を確保できていません。
そのため検証用の再現映像の撮影には時間がかかりそうです。新型コロナウイルスの流行が落ち着いてくれば動きやすくなりますので、もうしばらくお待ちください。
小さいおばさん
東京の八王子市で2020年8月3日、午後7時43分に撮られたという「小さいおばさん」の写真。
これは犬や猫を飼っている人だとピンとくるかもしれませんが、写っている足が、犬や猫の後ろ足に似ています。
いわゆる、つま先立ちの歩き方で、かかとまでの長さや、ひざや太ももの形も似ているんです。
https://bit.ly/3nYzHdv
https://bit.ly/3hpFshQ
上半身が写っていないのは、パノラマ撮影をして失敗したからではないかと考えています。
『「新」怪奇現象41の真相』でも解説しましたが、パノラマ撮影で失敗すると、被写体が半分に切れたり、長く伸びたり、おかしな写真が撮れることがあります。
昨年、Twitterで話題になったアシカの失敗写真もパノラマ撮影したものでした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cfd17a6b2ee4d716243cace0810331ff3e8b07c7
ただし今回の八王子の事例の場合、なぜ撮影者はパノラマ撮影したのかや、目撃情報の「二本足で歩いていた」、「クルクル回っていた」という話は今のところ説明できません。
そのためパノラマ撮影の失敗写真という説を考えるなら、目撃情報を疑う必要はでてきます。
オウルマン
オウルマンとされた建設現場の映像。撮影者の投稿はこちらです。
これは何かをふさいでいるか、貼りついているビニールが風で動いているように見えました。
もし現場でもっと近づいて確認していれば、正体は簡単にわかったのではないかと思います。
スレンダーマン
最後は、伊豆スカイラインのライブカメラに写ったというスレンダーマンの写真。
発見者の投稿はこちらです。
ライブカメラの画像が配信されているページはこちら。
https://camera.siz-road.or.jp/izu/
残念ながら現在は通信環境の問題か、見ることができません。
ただし、インターネット・アーカイブを使うと過去の画像は見られます。
https://web.archive.org/web/20201024033329/https://camera.siz-road.or.jp/izu/
さて、こうした画像を見て、真っ先に思いつくのは合成などのイタズラの可能性だと思います。
ですが、最初に投稿者が投稿したとき、伊豆スカイラインのライブカメラページにリンクがはられていました。
投稿日時は11月5日ですが、過去の画像は1週間前まであり、当時は問題の11月1日(日)を含む10月30日分まで閲覧可能でした。ということは、さらに2日後の11月7日までは問題の画像を誰でも確認できたことになります。
もし合成などのイタズラだった場合、簡単に確認されてしまう当該ページのリンクを自分からはるとは思えません。
ですので合成などではなく、実際に誰かが写っていたのだろうと考えました。
しかし、人だとすると番組でも指摘がありましたように、いくつも問題が出てきます。
- 身長がかなり高く、シルエットが細長く見える
- 全身が真っ黒
- 影がない
- 料金所が近くにあって、人が出入りできる場所ではない
これらを順番に検討していきましょう。
身長がかなり高く、シルエットが細長く見える?
これについては次のような指摘がありました。
不自然に細長かったのは、ライブカメラの画像の縦横比が縦長になっているからのようです。たしかに、インターネット・アーカイブに残っている他のライブカメラの画像を見ても、写っている車が通常より縦長に見えます。
そこで上記の画像を参考に、長さが自然に見えるように縦横比を変えてみました。
おそらく、これが本来の長さに近いのではないでしょうか。この場合、不自然な細長さはなくなります。
全身が真っ黒?
次に、なぜこの人物は真っ黒に写っているのか、という問題。
実はこの人物を拡大してみると、不鮮明ではありますが、首の部分のくびれがなく、頭部が少し大きく見えます。
そこから、フルフェイスのヘルメットを被っている可能性が考えられました。ということは、この人物はバイクに乗っているバイカーだったのではないでしょうか。
バイカーであれば、全身黒ずくめの格好をしていてもおかしくありません。当日午前6時の気温も、気象庁の観測所がある隣の三島市で6.5度でした。
https://bit.ly/35hWysY
この寒さなら、防寒対策として肌の露出をしていないのもうなずけます。
ちなみに、なぜライブカメラに写ろうとしたのか、ですが、たとえば友だちなどに現在地を知らせるためかもしれません。
『ゆるキャン△』という人気アニメの第4話で、実在する霧ヶ峰のライブカメラに主人公の一人が映って知らせるシーンがあります。問題の人物も、こういうことをしようとしたのではないかと(今回の写真が撮られた伊豆スカイラインの玄岳料金所付近は、富士山がよく見える屈指の絶景ポイント)。
ただ、問題の人物は道路の真ん中に立つということをやっています。これは決して誉められた行為ではありません。また、もし身元を特定されるようなことがあれば、問題にされる可能性も出てきます。
そこで顔を見えないようにし、バイクも写らないようにしたのではないでしょうか。これなら撮影されても身元がわかる心配はまずありません。
影がない?
次に影が写っていないことについては、撮影日時の11月1日の午前6時が、日の出時刻の午前6時7分の前だったからだと考えられます。
https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2020/s2311.html
日が出ていないのですから、影が写らないのは当然です。
料金所が近くにあって、人が出入りできる場所ではない?
最後に、人が出入りできる場所だったかについて。これは先述のように、バイカーであれば問題ないように思います。
ですが、ここでひとつ他の問題が出てきました。ライブカメラが設置されている伊豆スカイラインの料金所の利用時間を確認していたところ、午前6時から午後10時までだと書いてあったのです。
問題の写真が撮影された場所のすぐ近くには、玄岳の料金所があります。しかし仮に午前6時ぴったりに入れたとしても、同じ時間に撮影されるライブカメラに写ることはかなり難しいように思えます。
そこで伊豆スカイラインを管轄している静岡県道路公社に問い合わせてみました。
すると料金所に書いてある時間は、そこに人がいて料金を徴収する時間帯のことで、午後10時から翌朝午前6時までは料金所に人がおらず、誰でも無料で入れるようになっているとのことでした。
ということは、午前6時前に人が入っていてもおかしくないですし、ライブカメラに写ることも問題なくできたことになります。
以上が、今回の番組の考察です。できればスレンダーマンの件は、現場で実際にどのように写るのか検証してみたいのですが、ライブカメラの写真は状況によって撮られないこともあり、なかなか簡単にはいきません。
ただ、もし今後機会があれば、通行の妨げにならない範囲で確認できればと思います。