聖ヒラリオン城の幽霊

本城です。

先日、イギリスの『デイリーメイル』紙が、幽霊のような白いものが写った写真を紹介していました。このニュースがユニークなのは、その写真が3枚もあるということでしょう。(ただし掲載されている画像が小さいため、確認できるのは3枚中2枚)

拡大画像。

記事によれば、写真を撮影したのはイギリス人のマイケルとウェンディー・ホームズ夫妻。彼らは家族の結婚式のため、歴史的な山頂の城と修道院がある地中海のキプロス島を日帰りで訪問していたといいます。そこでは多くの写真を撮ったそうですが、その中に幽霊のようなものが写った写真が3枚あったそうです。

写真に気づいたのは、イギリスの自宅に戻ってスクリーン上で見たとき。謎の白いものは3枚の異なるアングルから撮られた写真に写っており、背後の聖ヒラリオン城近くの高い足場に立っているようだったといいます。

そこは、かつて城の裏切り者が突き落とされた場所で、もしかしたらその幽霊だったのではないか、ともいわれます。ちなみに夫のマイケルさんによれば、フォトショップなどは使っておらず、オリジナルの写真データは今でもカードの中に残してあるそうです。

さて、こうしてニュースになった謎の白い幽霊ですが、その正体についてはニュースを読んだキプロスの人から、次のような指摘がされました。

「その“幽霊”は標識の後ろ姿だよ」

標識は中世の兵士の形をしており、頂上の展望台に設置されているといいます。そこには、「おめでとう!あなたは聖ヒラリオン城の頂上に到達しました」と書かれているそうです。また標識の後ろはぴかぴかになっており、光を反射しやすくなっているともいいます。

そこでさっそく調べてみたところ、確かに頂上の展望台には兵士の形をした標識がたてられていることがわかりました。

これです。(引用元)

裏から見ると、こうなっています。白いですね。(引用元)

ただ、ここで気になるのは、元の写真では展望台が頂上にあるようには見えないこと、また普段から設置されているのであれば他にも写っている写真があるはずだということです。(なおデイリーメイルの元記事では、山の高さについて700フィートと700メートルという二つの表記が混在していますが、700フィートの方が誤り)

そこでこの点についても調べてみたところ、別の角度から撮った写真が見つかりました。(引用元)

これは元の写真に比べて左方向から撮られたものですが、これを見ると展望台は奥の方の高い場所にあることがわかります。(これは2012年夏の写真で、当時はまだ標識がなかったようです)

遠近法によりわかりづらいが、右側が手前で低い場所。左側が奥側で高い場所。

それでは他の写真で展望台に何か写っているものは見つかるでしょうか。探してみたところ、これも見つかりました。(引用元1引用元2)

というわけで白い幽霊のようなものの正体は、頂上の展望台に設置してある兵士の標識と考えていいようです。

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