今年(2012)も天降異物現象が発生していました!
藤野です。だいぶ間が空いたのですが、たぶん第5弾だと思います。
今年刊行のASIOS『謎解き超常現象Ⅲ』(彩図社、2012年5月)に発表した、拙稿「天降異物学事始――何かが空から降ってくる」で、過去の「魚の雨」事例を自分なりに総マクリして報告しましたが、その後、6月29日に新たな「魚の雨」が発生していたことが判明しました。
ところは、北海道旭川でした。ソースは『北海道新聞』。2012年6月30日付朝刊33面に掲載の、小さな同新聞編集部が無署名で書いたと思しき「こだま」というコラムです※1。
以下短いので、全文を引用させていただきます。
▽…旭川市旭岡の住宅で29日、体長3~10㌢のドジョウのような小魚約80匹が散らばっているのが見つかり、「空から降ってきたに違いない」と住民たちを驚かせた。
▽…主婦上島竹子さん(62)が午後5時半ごろ自宅で庭仕事中に車庫の周囲や屋根で見つけた。「直前に腕に雨粒が当たった気がした」と言うが、旭川は快晴だった。
▽…3年前、本州各地でオタマジャクシや魚が降ったと話題に。上島さんは仲間と「不思議だわ」「どうしてかしら」と首をひねっていた。=旭川=
記事によると、2012年6月29日午後5時半頃に旭川市旭岡の個人宅車庫の周囲や屋根に「体長3~10㌢のドジョウのような小魚約80匹が散らばって」いたのが発見された、ということになります。
天気は快晴だったにも関わらず、発見者は「直前に腕に雨粒が当たった気がした」と言っているようです。降った現場を直接見たわけではないようですが、屋根でも見つかったのなら、やはり上空から落ちてきたとみなすべきなのでしょう。
コラムには写真がないので、「ドジョウのような小魚」がどんな姿なのか分かりません。補足情報として貴重なのが、同じ北海道新聞の「Doshin News」(道新News)に上げられた、1分間の「天の恵み?いきなり現れた魚」(旭川報道部・小川正成撮影)と題する動画です(発見者の主婦・上島竹子さんも登場)。 これには下記の文章が添えられています。
天の恵み?いきなり現れた魚 旭川 (2012/07/02)
旭川市旭岡の住宅敷地内で29日、体長3~10センチのドジョウのような小魚約80匹が散らばっているのが見つかり、「空から降ってきたに違いない」と住民たちを驚かせた。(6月30日朝刊社会面に掲載)
http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/video/?c&v=222495238002
「住宅敷地内に小魚約80匹が突然出現」として屋根や敷地内に落ちた半ば干からびた小魚の映像が映し出され、「ドジョウに似ている」とテロップが入っているものの、たしかにドジョウに見えます。敷地内の砂利の上から住民が後片付けのため、ドジョウを拾い集める映像もありましたが、そのうえでの「約80匹」なのでしょう。
今年、前掲の拙稿で筆者が報告した過去の「魚の雨」事例が12例なので、これで13例目となりました。落ちてきたのがドジョウとすると、宝暦2年(1752)7月、嘉永3年(1850)7月に続くもので、数が判明するものでは最多の事例となります。
最後にちょっと気になった点を1つ。『北海道新聞』での扱いが、「コラム」だったことです。記事にするようなニュースバリューがなくなったと判断されているのかは分かりませんが、他にも報道されていない事例もあるような気がしてきました。近年の天降異物現象の事例収集は新聞からがほとんどなので、今後報道されないケースがないことを希望したいところです。
※1 国立国会図書館の新聞資料室で原紙を確認。この事例を枕に、リアルライブ(THE REAL LIVE WEB)のサイトに七海かりん氏(山口敏太郎事務所)の「空から生き物が降ってくる…「ファフロツキーズ現象」の謎を追う!」2012年07月07日 17時59分 [ミステリー]という記事がアップされています。
http://npn.co.jp/article/detail/72717630/
海外ではサメが降ってきたみたい。
http://www.excite.co.jp/News/odd/E1351387116588.html